特集:MMS測量
MMS測量は、2015年にCSSに導入された移動式レーザー測量技術。
CSSでは切削オーバーレイや路面ひび割れ調査、現況測量等で200回以上の測量を行ってきましたが、UAV写真測量やTLS測量に比べると、MMS測量はまだ広く普及しているとは言えません。
この記事では、MMS測量がどんな技術なのか改めてご紹介するとともに、MMS測量の活用事例をご紹介します。
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MMS測量とは?
車で走りながら計測|移動式レーザー測量技術
MMS測量は車両にレーザー測量機を取り付け、車で走りながら計測する移動式レーザー測量技術です。
MMS測量機を搭載した車両で道路を走行しながら、路面の3次元測量を行うことができます。
特徴
- 精度±10mm。現場状況によっては±4mmの精度で測量可能。
- 測量のための交通規制が不要。
- 走行しながら、1秒間に最大100万点のデータを計測します。
- 時速40kmで走行すれば、約5cmピッチのデータが計測できます。
- TLS測量にくらべ短時間で計測が可能で、距離が長い現場に適しています。
CSS保有機器
CSSでは精度に優れるLeica製のMMS測量機・Pegasus:Twoを使用しています。
MMS測量機には車輌に固定された一体型のタイプと、車輌からの取り外しが可能な着脱式のタイプがあります。
Pegasus:Twoは着脱式で、現場に合わせて最適な車輌に付け替えることが可能です。
『モービル マッピング システム』と『モバイル マッピング システム』の違いは?
この2つの言葉を英語で表記すると、どちらも『Mobile Mapping System』と同じ表記になります。『Mobile』は日本語で「移動性」という意味。2つの名称の違いは、『Mobile』をカタカナ表記するときに、「モービル」にするか「モバイル」と表記するかの違いです。
CSSでは、導入したMMS測量機のメーカー表記に合わせ、『モバイル マッピング システム』と表記を統一しています。
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精度±4mm|ICT舗装工対応の補正技術
令和2年3月、ICT活用工事の要領「地上移動体搭載型レーザースキャナーを用いた出来形管理要領(案)」が改定され、MMS測量が正式にICT活用工事(土工・舗装工)で使用できるようになりました。
基準を満たす精度±4mmのMMS測量
CSSのMMS測量は、表層表面の計測が必要な『路面補修工事』での使用を目的に補正方法を改良。
ICT舗装工で規定されている表層表面での要求精度±4mmの測量が可能になりました。
ICT活用工事の要求精度
土工要求精度 | |
---|---|
起工測量 | ±100mm以内 |
出来形測量 | ±50mm以内 |
舗装 | 鉛直精度 | 平面精度 | |
---|---|---|---|
アスファルト舗装 | 路床表面 | ±20mm以内 | ±20mm以内 |
下層路盤表面 上層路盤表面 | ±10mm以内 | ||
基層・中間層表面 表層表面 | ±4mm以内 | ±10mm以内 | |
コンクリート舗装 | 路床表面 | ±20mm以内 | ±20mm以内 |
下層路盤表面 粒度調整路盤表面 セメント安定処理表面 | ±10mm以内 | ||
アスファルト中間層表面 コンクリート舗装版表面 | ±4mm | ±10mm以内 |
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NETIS登録技術(KT-150010-VE)
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CSSのMMS測量実績
CSSでは、MMS測量を主に路面計測に活用しています。
路面補修工事に利用できるようになったことで、活用範囲が大きく広がっています。
MSS測量実施 事例
- 工事概要:A工区(L=800m)・B工区(L=300m)
切削オーバーレイ工、排水構造物工 - CSSの実施業務:
起工測量(多角点測量、現況測量[測点・端部・白線]、横断現況測量)、縦横断図作成・計画、切削ボリューム計算、路面現況測量、解析・路面評価、出来形測量(基準点点検測量、横断現況測量) - 3次元測量実施:MMS測量、TLS測量
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成果品・切削オーバーレイ計画
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成果品・路面のひび割れ調査(MMS路面評価)
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白線トレース
CSSでは切削オーバーレイ工に伴う白線の計測・トレースを多く行っています。
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